土曜日, 10月 03, 2009

野北の浜を往復してきた

   土曜日。日曜日。
   どちらの日に計画を実行に移そうか、決め切れていなかったが、土曜日が「十五夜」ということだけで土曜日に決めた。前日はアルコールを一滴も摂取しない 苦行を実践し、体調も万全になっている。事前に調べた干潮時間に合わせ、午前12時の予定だったが、金曜日は休息日にしたため土曜日の午前中まで作業が 残ってしまった。再度、午前12時出発を目標に、作業を終了させるため没頭する。作業は午前11時30分頃に予定通り終了したのち、簡単な準備を済ませ午 後0時15分には出発できた。出発の前に車中で聞く音楽の選定を慎重に行い、カラヤン指揮のベストアルバムを選び、その中から主に協奏曲、交響曲が録音さ れているCDを選択した。一曲目はヴィバルディーの四季・春が流れてくる。今の状況で聴く音楽としては悪くない。

   いつものルートで走行し、伊都菜彩をスキップしてまず、前原に向かう。前原に入ると、いつものコンビニで飲み物を調達した後、野北に向かうため小富士、 船越、岐志、芥屋を経由するルートを選定する。前原から志摩を通過して野北に行く最短ルートがあるが、山間部を通過するためあまり好きではない。
   船越付近 まで来ると9月末にはなかった手作りカンバンの「船越カキ」が出してある。昨年と同じカンバンだろう。
   カキの最盛期には小富士付近からカンバンを確認でき るほど多く出す。既に船越では焼きガキを提供しているようだ。本格的なシーズンになったら六本松の店の知人たちと行くだろうから、岐志のカ キ小屋を再度事前確認のためにいつもの入り口から入ろうとすると工事中で通行止めになっている。
   近くの農協付近に迂回路があり、カキ小屋に向かうといくつ かの小屋は準備中であり、他の小屋は先月と同じたたずまいを見せている。船越カキの新興勢力のほうが気合いが入っている。岐志と船越のカキは近くの姫島で 増殖している同じカキなのだが、焼きガキの本家である岐志は船越と時間の進み方が違うようだ。


   県道54号線の芥屋から野北の浜までの区間は糸島半島で一番雰囲気があり、いつの季節に走っても素晴らしく感じ、大好きな道路だ。野北では駐車スペースが空いていること祈りながら、到着すると、正式な駐車桝ではないが、どうにか一台分だけ空いている場所に車を止めた。浜に着くと週末らしく人が多い。サーファーの人たちが目につく。海から 陸に向かう風が吹いているので波もいつもよりは大きい。空を見上げると先日、小戸公園で見たような錦雲、ちぎれ雲があり、鰯雲のおまけまでついている。浜 の終点側を確認すると遙か彼方で、いったい、どれ位距離があるのだろうと、出発をためらってしまうほどだ。

   それでも出発する。

   波打ち際近くを歩いてしばらくするとハンググライダーを操作している一団に会う。しかし、止まることなく歩き続けると今回の計画で事前に予測していた風 景に遭遇した。周辺に降水したものが側溝を経由して雨水を集めながら流下し、雨水が地形の低い海に大量に流れ込む。その排水口を目前にした。3Km以上も ある浜のために数カ所は排水口があるだろうと覚悟はしていた。排水口は水のエネルギーで砂浜を洗掘しており水深も深く、一生懸命ジャンプしても飛び越えら れない幅員となっている。水の勢いも強く、水に濡れないでその先に行くことは不可能と判断し、波打ち際の水深の浅い箇所を選んで靴を濡らしながらどうにか 超えることができた。
#後から考えたら、キレイな砂浜なので裸足になれば良かった。


   長い時間砂浜を歩いていると単調な風景で、海岸線に一般的に植生するハマギク、ウバメガシ、トベラ、ハマナス(井上陽水の「リバーサイドホテル」の歌詞 に出てくる)などは無いものかと丘陵地形になっている山側に視線を向けると、花の色が目立つハマナスはないようだがウバメガシやトベラに見える植物を確認 できた。そんな風景を見ていると、どこまで丘陵地の山で、どこから海の区分なのかがよくわからない。丘陵地から約1:1.5~3.0程度の勾配で緩やかな 斜面があり、次に急激な段差があり、その先に砂浜が広がっている。緩やかな斜面までは植物が自生し、その植生界がどうにか山と海を区分できる唯一のもの だ。起点側の砂浜は水晶の成分が多いみたいで、日差しがさすとキラキラ輝いて見える。

   2度目の排水口は水量が少なくどうにか飛び越えることができる程度の幅だった。しかし、自分が思っているより遙かに小さなジャンプしか出来ず危うく、ま た、靴が濡れそうになる(既に片足は濡れいてるからいいけど)。しばしば後方を振り返ると、出発地点からかなり遠くまで来ていることが確認できるが、目的 地点はまだまだ遠い。行程の中間と思われる地点まで来て改めて海をじっくり見ると、黒いウェットスーツ姿のサーファーが多いことに気がつく。波のエネ ルギーも大きい様子で、サーファーたちが待っている大きな波が形成する場所では、海底の砂を巻き込みながら波が出現し、その場所の海水は砂混じりで、他の 波が発生する所と明らかに違った色をしている。



   目的地点近くまで来ると、サーファーの人数が格段に多くなってくる。海に入っている人たちだけでも50人を超えそうな多さだ。ほとんどの人が黒色の ウェットスーツであり、派手な色をしたスーツを着ている人がいないことは予想外だった。ようやく、目的地点に着くとコンクリートの一般的な防波堤があり、 その下には黒く大きな玉石状の石が多く横たえてある。既に相当の年度を経過しているようで光沢が確認できるほど表面がつるつるになっている。防波堤基礎の 洗掘防止のために築造の際に置いたものだろう。防波堤が切れている山側には消波ブロックがあり、これ以上先に行ってはいけませんというような無言のたたず まいだ。


   防波堤天端にデジカメラを持って、サーファーのいる方向を眺めている人がいたので、ちかづいて話をしてみた。到着地点の場所がわからないので、「近くに 駐車場はあるの?」「ここはどこなの?」というような浦島太郎的な意味の質問をすると、駐車場は近くに無料の駐車場があるらしく、既に芥屋だそうだ。詳細 な場所の確認をするとこの辺りの地理に詳しくない様子であった。野北の浜から歩いてきたというと、びっくりした様子で、「大変ですね。」とコメントを頂 く。しかし、一人で防波堤にたたずみ、サーファーを見るだけなんて、素晴らしい(変わった)人だ。たぶん、私と同じで人から変わっていると思われる事など を真剣に実践する、まじめなB型の性格をしているのだろう。

   一息深呼吸し、一言挨拶を交わした後、復路に向かう。

   往路でだいたいの浜の様子がわかっていたので、復路は幾分速い行程となった。往路ではいなかったパラグライダーの一団も気分良さそうに上昇気流を楽しん で、空中にいる。ハンググライダーの一団は相変わらず海風と仲良しになれないみたいだ。一つ目の排水口近くまで戻ると、50羽程度のカモメとユリカモメの 一群がいる。今年初めての個体の確認で室見川より速い飛来かもしれない。

   同じ往路より10分程度早く到着して車に向かい、飲み物を取りに行った。コンビニで購入していた飲み物と紙コップを持ち、再度、護岸のある浜に戻り、し ばらくの時間、休憩することにした。足の疲労も回復したように感じたとき、立ち上がると心地よい海風が背中を押し、気分良く浜をあとにした。二見ケ浦、横 浜経由のルートを走行していると、CDが大好きなチャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番が演奏を始め、ボリュームを大きくする。二見ケ浦で休憩して アールグレイを飲みたかったが、その時の雰囲気と合わずスキップした。わずか、4時間程度だが小旅行をしたようで、出発時よりは「ハレ」の気分になること ができた。

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