水曜日, 9月 22, 2010

満月の夜空に魂が駆け上がる

満月の夜空に魂が駆け上がる

人の死はいつだって悲しい。
それは自分に近ければ近いほど悲しみが増す。
これまでの思い出が無くなってしまう。
いや、思い出は無くならない。
瞬時に多くの思い出が心に深く染み渡る。
楽しい記憶も不愉快な記憶も。

肉体が生命を維持する限界を超えた状態から火葬され骨だけになる。残された者にはこれまでの記憶が鮮明に蘇り涙を誘う。涙が出るのは死者がいなくなっただけじゃない。
これまでいた人が突然自分の近くからいなくなり、いままで会話していた人がいなくなると言うことを認識する時だと思う。

話し相手がいなくなる。

いままで一緒に出かけていたのに残された人たちだけで出かける時、一人足らないことを認識し悲しみが湧き起こる。
悲しみはこれからなのだ。
残された人がそのことを昇華できるまで悲しみは続く。



人の死はいつだって悲しい。
年をとればとるほど死に接する機会も多くなり、悲しみを多く共有している。年を重ねた人が一概に優しいのは、多くの死を共有しているからだろう。

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